理念

オープンソースの理念

OmegaT は、オープンソースのプログラムおよびプロジェクトです。これは、OmegaT プログラムのソースコードが自由に利用できること、また OmegaT のライセンスがユーザーに対して、プログラムの使用に関して大きな自由を与えることを意味します。それは、無料で使えるというだけでなく、OmegaT のコピーを自由に作り、自由に配布できることも意味します。

この自由の重要な一面は、ユーザーがソースコードを自由に改変できることです。オープンソースの発展のために、ユーザーが自分の必要に合うようにソースコードを書き換える自由は、プログラムが無料であることよりも重要です。「言論の自由」という意味の「free」は、「ビールが無料」という意味の「free」とは違いがあるということです。


OmegaT プロジェクトの理念

OmegaT プロジェクトでも、同じ精神が見られます。ユーザーは、自由にプログラムをダウンロードでき、自由にそれを使えます。一方でユーザーは、プロジェクトに貢献する自由があり、またそれが推奨されます(ただし、決して義務ではありません)。どのように貢献するかは、多くはユーザーが決めます。例えば、ユーザーが自ら取扱説明書を書いたり、OmegaT のデモンストレーションビデオを作ったりすることは、誰も止めたりしません。そして、もしそれが少しでも有用だと OmegaT プロジェクトが考えたら、それを OmegaT ユーザーコミュニティ向けに利用できるようにするでしょう。定常的な作業に関しては、OmegaT プロジェクトにかかわっているボランティアは一般に、どのような形で貢献するかを決めるに当たって最大限の自由があります。この放任的なアプローチは、現在の OmegaT プロジェクトコーディネーターにより、「委任された無政府状態」と表現されています。

一部の分野では、あるていどの調整が必要です。たとえば、誰でも OmegaT プログラムコードを改変する自由があり、その改変を開発チームへ提出するのも自由です。このような変更を提案する際に、開発者のスムーズな対応を得るための最良の方法は、OmegaTへの貢献ページに定義されたガイドラインに従うことです。これは、OmegaTが提供する開発者向けドキュメントの一部です。そして、その改変が OmegaT ユーザーにとって有益になると考えられる場合にのみ、開発チームはそれを OmegaT に組み込みます。これは、ユーザーの利益を保護するためであり、OmegaT が Softpedia "100% FREE" 保証受賞を受けるという結果につながりました。


OmegaT の開発

OmegaT プロジェクトの他の分野と同様に、OmegaT のプログラム作成作業はボランティアによりなされています。OmegaT に対する開発と改良は、プロジェクトの理念に沿いつつも、最終的には担当者の自由裁量で行われています。しかしながらユーザーは、プロジェクト内の相当の範囲にわたって、改良を提案し、将来の開発の道筋に影響を及ぼすことができます。

その最たるものは、OmegaT ユーザーグループです。このグループは、OmegaT ユーザーコミュニティの中核を成します。OmegaT の新規ユーザーは、何か提案があれば、ここですることが奨励されます。その理由の一つは、望まれる機能はすでに実装済みであったり、実装不可能な理由があったりするからです。手頃な代替の機能や解法策があるかもしれません。

変更に関する詳細な技術的議論は、OmegaT の開発者と直接行うのが一番です。そのために、専用の開発者向けメーリングリストがあります。

ユーザーが、OmegaT に対する変更や機能強化の提案を明確にまとめたら、その提案を開発チームに検討してもらうための規定の手続きがあります。それによって、多数の提案を管理しやすくなります。この手続きは「機能強化の要望」(RFE)と呼び、ここで管理されています。

文字どおり、何百もの RFE がすでに提示され、その多くがすでに実装されています。ただし、RFE を提出したことによって、望まれる機能や改良が自動的に実装されるわけではありません。それが採用されるか否かは、第一に、開発チームが OmegaT に有益と考えるか否かによります。第二に、開発者の誰かがその機能の実装を強く望むかどうかにかかっています。

OmegaT 開発者は皆ボランティアですが、もし提案者が開発作業に資金を提供すれば、RFE の実装により積極的になるでしょう。開発への資金援助は、いくつかの機能追加において、すでに実を結んでいます。もしあなたが、望まれる機能の実装に資金を提供する意思があるならば、どうぞ開発チームに直接連絡し、見積もりを求めてください。外部の開発者から委託された開発成果を、OmegaT 内へ実装することも可能です。ただし、自由な開発の場合と同様に、OmegaT に対するいかなる変更も、OmegaT とそのユーザーに資さなければならないという原則がやはり適用されます。